音場解析におけるAMR法の導入
コンピュータで「音」がどう伝わるかを正確にシミュレーションするには、空間を非常に細かな網目(メッシュ)に区切って計算する必要があります。しかし、広い街中をすべて細かく区切ると、スーパーコンピュータでも計算しきれないほどの膨大なデータ量になってしまうことが課題でした 。 そこで私たちは、「音がある場所だけを細かく計算する」という技術(AMR法:適合細分化法)を導入しました 。 まるでサーチライトで照らすように、音の波が進んでいく場所に合わせて、計算の網目を自動的に細かく変化させます 。これにより、計算に必要なメモリ量を大幅で(約37%まで)節約しながら、これまで通りの高精度な予測が可能になりました。

本研究では、高速道路でよく見かける遮音壁を対象として、完全反射を仮定した剛壁と、吸音材であるグラスウールを想定した多孔質壁の2種類について音響解析を実施しています。それぞれの条件下で音波の伝搬や反射・吸収の様子を解析し、その挙動を可視化することで、壁の材料特性が音場に与える影響を評価しています。 今後は、振動方程式を用いた音響・構造連成解析へ発展させることで、壁の振動を考慮したより現実に近い遮音壁モデルを構築し、実環境に近い音響現象の再現を目指します。
